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長巻きフィルムって本当に安いの?計算してみた

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どうもichirokuです。

先日、ついに長巻きフィルムに手を出しました。

フィルムの値上がりが続く中、「長巻きフィルム」という選択肢に注目されている方も多いでしょう。

「フィルム代を節約できる!」と聞いて手を出したくなるものの、実際のところ本当に安いのでしょうか?今回は、その真相を計算してみました!

長巻きフィルムとは

この記事を読んでいる方はご存知な気がしますが、長巻きフィルムについて簡単に説明します。

長巻きフィルムとは、名前の通り長いフィルムがロール状になったもので、1つでなんと30.5mもの長さがあります。

これを自分で切り分けることで、36枚撮りフィルムが約20本分作れるんです!(フィルム1本約1.5mです)

市販のフィルムを買うよりも安くなると言われていますが、実際はどうなのでしょうか?

フィルムを作ってる様子

長巻きフィルムのコストを検証

長巻きフィルムのコストを「ランニングコスト」と「イニシャルコスト」の2つに分けて考えます。

1. ランニングコスト

ランニングコストとは、フィルムを使うたびにかかる費用です。

  • 長巻きフィルムの価格: 10,000円(約36枚撮りフィルム20本分)
  • 1本あたりのコスト: 10,000円 ÷ 20本 = 500円/本

市販の白黒フィルム(36枚撮り)は安くても1本約1,000円するので、なんと約半額で済む計算です! ランニングコストだけ見ると確かにフィルムを安く使えると言えそうです!

2. イニシャルコスト

一方、初期費用(イニシャルコスト)も無視できません。

長巻きフィルムを使うために必要な道具は以下の通り

  • フィルムローダー:15,000円
  • 空のパトローネ:880円(自分が使ったフィルムの再利用も可)
  • 自家現像環境
    • 現像液(ロジナール):1,800円
    • 停止液(クエン酸):100円
    • 定着液(アドフィクスプラス):2400円
    • フィルムピッカー:1,500円
    • 計量カップ:100円×5
    • ダークバッグ:5,400円
    • 現像タンク:6,000円

合計初期費用: 約35,000円 (私の使っているもの基準で記載)

この費用を回収するには、なんと70本のフィルムを使う必要があります。

  • 1年で70本使う場合: 月に約6本、週に約1.5本撮影する計算です。

かなりの本数と頻度で撮影して初めて長巻きフィルムのほうが安いと言えることになりますね…。

なぜ現像道具を初期費用を含んでいるのか? 長巻きフィルムから自作したフィルムは、店舗で現像を断られることが多いため、自家現像がほぼ必須になります。
店舗で現像できたとしても追加コストがかかり、長巻きフィルムのメリットが薄れてしまいます。
そのため、自家現像環境を整えることが長巻きフィルム活用の前提条件になります。

メリット最大化には自家現像が必須

ランニングコストとイニシャルコストのバランスが重要!

長巻きフィルムは確かに1本あたりのコスト(ランニングコスト)を抑えることができますが、初期費用(イニシャルコスト)が高額です。

そのため、ランニングコストの安さだけに注目せず、イニシャルコストを回収できるかどうかを冷静に考える必要があります。

例えば、フィルムをたくさん使う方であれば初期費用を回収できる可能性が高いですが、使用頻度が低い場合やフィルム写真を続けるかどうか迷っている場合は、逆にコストが割高になる可能性があります。

長巻きフィルムを導入する前に、自分の撮影スタイルや予算をよく考えてみてください。


長巻きフィルムをおすすめできる人・できない人

おすすめできる人

  • すでに自家現像をしている人
  • フィルム写真を数年にわたって続ける予定の人
  • フィルムを大量に撮影する人

こちらに当てはまる人はすでに道具を持っているので初期費用が抑えられるか、あるいは初期費用を回収するまでフィルムを使用することができるので結果として安くフィルムが使えます。

おすすめできない人

  • フィルム写真をこれから始めたい人
  • 自家現像をしていない、またはしたくない人
  • フィルム撮影の頻度が低い人

これらに当てはまる場合、初期費用を回収できず、逆に割高になる可能性があります。


結論

長巻きフィルムは確かにランニングコストを下げることができます。

ただし、初期費用を回収するには大量のフィルムを使い続ける必要があるため、すべての人にとってお得とは限りません。

ランニングコストだけでなく、イニシャルコストの回収計画も重要!

長巻きフィルムは、フィルム写真を本気で楽しむ人の味方です。これから挑戦する人は、自分の撮影スタイルと相談してみてください。

ではまた次回の記事でお会いしましょう!

(2024/12/13内容を修正)

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